電力日誌

自然エネルギーの普及に向けて、出来ることからコツコツと

世界から戦争がなくならない本当の理由【感想・レビュー】みんなに読んでほしい

自分の無知さを痛感しました。

 

完全に電験取得とは関係ありません。

 

ただ、 こんな更新頻度の低いマイナーなサイトに辿り着く人って、ものすごく勉強熱心な人かな、と思って。そんな勉強熱心な人が、社会を良くしていくって信じてる。

 

そして勉強熱心な貴方が、その知識を使って物事を進めるとき、頭の片隅に入れてほしい現実として、今回はこの書籍をご紹介します。

 

池上彰さん
「世界から戦争がなくならない本当の理由」

 

「あぁ、読みたくない!」って思った方、そんな方にも、読んで欲しい。

 

僕、歴史、苦手なんです。特に近代史=戦争の歴史、とか…。
だって辛いじゃないですか。読むだけでも苦しいです。そんな暗い気持ちになるより、新たな技術に関することを仕入れ、明るい未来を考えたい。

 

でも…辛い記憶でも、その原因「本当の理由」がわかれば、明るい未来に繋がるんじゃないかな、そう思い、手に取りました。

 

この本では「失敗の歴史から何を学び(または何を学ばず)次の戦争が起こったか」という視点で、話が進んでいきます。
その中では、宗教による対立、社会主義・民主主義の話、中国韓国の成立ちから見た日本との関係性、テロ組織の存在、報道の重要性…そして、日本という国の曖昧な立ち位置。
繋がりを持って歴史が語られていきます。

 

この本を読んで、僕は「話がしたい」と思いました。

 

僕の勤める会社では、中国に生産を委託している工場があります。そのため同じフロアにも数名の中国の方々がいらっしゃいます。

 

僕はドストレートな性格なので、会社仲間との宅飲み中、酔った勢いで、生産管理の後輩(中国の工場に何回も行っている子)に「ぶっちゃけ、中国ってどうなの?」と漠然とした疑問を投げかけたところ、滅茶苦茶 困惑された上で「う〜ん…でも最初、この部署に配属された時『中国人に謝ってはいけない』とは言われました。」と仰っていました。(日本人は、よく枕詞ですみませんが、とかを使うけれど、謝る=私は貴方より下です、というように捉えられ、交渉毎が進め辛くなるから、という話だそうです。※一つの考え方としてです。中国の方の考え方を否定するものでも、謝らないことを推奨するものでもありません。)

 

また、その前の話ですが、一回ちょっと調達の中国の方と、業務内のやり取りで揉め、それが一応は解決したあとで、、僕は「言い方がキツくなってごめんなさい。いつも感謝してます。」といった旨をメールで送ったら「私の方こそ、日本語が難しくて…文章でキツくなっている部分があるとしたらごめんなさい。」といった内容で返信をくださいました。
もちろん、日本に、わざわざ住んで、働いている訳ですから、(だっていくら生活のためとは言え、わざわざ嫌いな国に住みませんよね?、と書こうと思った時点で、それ自体も僕個人の価値観だ…)まぁ、でも、比較的日本の考え方とも融和しているだろうな、というところで、純粋に中国に住み続けている方とは、少し違う考え方をもっているのかもしれないな、とも感じました。

 

 

よく「宗教と政治と野球の話はするな」とか言いますが、閉じられた空間で、お互いを容認する、という決まりの中で話す分には、とっても楽しいことだと思うんです。

 

極論だと、ユダヤ教ユダヤ人しか救われない宗教ですよね?(間違ってたらごめんなさい)でもそこに対して「なんて差別的な思想なんだ!やめなさい!」なんて言い出したら、当然喧嘩になりますけど「えー、じゃあ俺救われないじゃん、ショック〜」ってな感じのゆる〜い会話ができたら面白いと思うんです。そこで「僕の世界では仏陀って人がいて〜」とか始めて、それに対して「仏陀さん、いいこと言うやん!」って話せる世界、最高にハッピーだと思いませんか?


…思いませんかね、宗教だと。
でも「自分が熱狂しているもの」について語り合うこと、これは楽しくないですか?でもそこで白熱しすぎて喧嘩になること、ありますよね?(若しくはありそうですよね?)でも、それって大体「その考えはおかしい!」っていうことを言い始めたときに起こることだと思うんです。
娯楽と宗教とを一緒にするな!というお叱りも受けそうですけど、「信じるもの」「個人の考え」の例としてですのでご容赦ください。

 

そしてもう一つ極論ですが、今自分の教えられてきた歴史が正しいかどうかなんて、誰にも分かりません(←これは個人の感想です。池上さんの本に書いてあることではありません)

 

だってこの書物に書いてある。その本が捏造された可能性は?
そういう風に報道されている。歪められた報道かもよ?

 

真実であったとしても、それを信じない人達と、どうやって付き合っていく?

 

一つは、信じてもらうまで証拠を集め説得を続ける。これは、正当な手段だと思います。証拠の検証さえ公正に行えるのならば。しかし歴史について言えば、時が経てば経つほど、証拠を集めるのは難しくなる。
二つ目は、そもそも付き合わない。回答としては邪道ですが。また「付き合わない」ということは「付き合わない」という付き合い方、という哲学めいた話になりますね。これを突き詰めると面白そう。
横道にそれましたが、
三つ目は、お互いに「そういう可能性もあるね」という観点で、「どうやって付き合っていったらお互い幸せになれるか」を考える。

 

僕は三つ目を推したいわけですけど、政治でうまくいくかはわかりません。
ただ個人として、そういう考え方で付き合っていけたら、世界はもっと生きやすくなるかな、と強く思いました。

 

…さて、最初に戻りますが、何故この本を読んで欲しいか…それは途中で書いた「話がしたい」からです。
特に、普段、戦争なんて考えないよ、それより電験だよ!という僕のような方が、この本を読んで、どう感じるかを聞きたいからです。

 

ただ、必ずしもこの本が絶対と思っているわけではなく「ここ、こう書いてあるけど、それは違うと思う」とか、「ここのこの歴史については、別の見方をする研究者もいる」とか、そういう意見も聞きたい、と思ったのです。

 

冒頭に書きました。僕、歴史、苦手なんです。
だからこそ色々な人に教えてほしい。

 

よろしければご一読ください。そして、感想を教えてください。

 

専門家やブロガーの意見も為になるけど、僕と同じような一平社員、公務員の方、主婦主夫、子どもからお年を召した方まで…よろしくお願い致します。

 

文系でもよくわかる 世界の仕組みを物理学で知る【感想・レビュー】理系でもオススメ

僕は思いっきり理系だけど、興味深く読むことができた。

 

文系でもよくわかる 世界の仕組みを物理学で知る

 


義務教育の基本的な四則演算や読み書きはともかく、高校あたりで習ったことって、そのまま仕事や生活に結びつく人って多くはないと思う。(自分は設計業務のため、役立つこともあるけども)

でも、直接は結びつかなくても、間接的に「似てるな」と思うこともあって…。そしてそこで得られた知識が、新たな気付きのきっかけになることも、少なからずはあるような。。

 


この本では、物理学の経済への応用から始まり、多少突飛にも思える事象や研究対象、などなどを簡潔にまとめられています。

そして中でも、物理学の目指すところ、そして、それを目指している物理学の歴史…繋がりの部分が特に興味深く、また、今も物理学者やその関係の方々が日夜研究を行なっている、ということについたた、特に感慨深かった。

 


これまで僕の触れてきた物理学は「公式の暗記」(と公式の応用)のイメージが強く、それはそれで大切な事なのだけど、

その「公式」を知った上で、どのようにそれが導き出されたか、どう証明されたか、その公式が当てはまらない事象は無いか、その当てはまらない事象は何故おこりえるのか…「物理学」の本当の面白さの入口が見えてきたような気がした。

 


恐らく物理学だけではなく、全ての学問、そして事業に、通じることなのだろうな、とも思うけども。

文系の方に限らず、興味ありましたら、ぜひ読んでみてください。

 

タンスやダンスとかなんザンス?

下らないタイトルで申し訳ありません。

ちょっとふざけてみたかった。

 

さて、気を取り直して、、

今回は、混乱しやすい「リアクタンス」「インピーダンス

それから、レジスタンス」「インダクタンス」「キャパシタンス」

について、整理していこうと思います。

 

 

結論から述べると

リアクタンスは交流回路におけるコイルやコンデンサの抵抗的な性質

インピーダンスリアクタンスと抵抗の和

レジスタンス抵抗

インダクタンスコイルの性質で、リアクタンスはインダクタンスに比例する

キャパシタンスコンデンサの性質で、リアクタンスはキャパシタンスに反比例する

といった感じです。

 

回路の電流計算の際、交流回路と直流回路で異なる点は、ずばり、コイルとコンデンサの働き。

(ここでいうコイルやコンデンサは、実際のコイルやコンデンサに限らず、変圧器の性質や電線の性質から等価的に置き換えられたものも含みます。)

 

直流回路で一定電流を流し続ければ、最終的にコイルは抵抗0となるし、コンデンサは電流が流れなくなり、いずれも意味をなさないけれど、交流回路では抵抗と似た効果を持ちます。

 

このコイルやコンデンサの、抵抗と似た効果をリアクタンスといいます。

そのため、単位は抵抗と同じくオーム(Ω)。

R+jXとかの、Xのこと。

↑まだ、学んでなければ、気にしなくていいです。出てきたら思い出して。

 

そのため「回路のリアクタンスを求めろ」と言われたら、抵抗は気にせずコイルやコンデンサ、または与えられた式のX成分を気にすればいい。

 

そして、先に「レジスタンス」を説明すると、

レジスタンスは抵抗。電流の流れにくさ。直流回路と同じ。

 

次に「インダクタンス」と「キャパシタンス」についてだけど、

リアクタンスって、回路の周波数によって変わってしまう性質がある。

同じコイルを使っても、西日本と東日本で、影響が違う。

でもコイルはコイル。コンデンサコンデンサ。同じもの。

 

その、コイルやコンデンサ自体の性質を「インダクタンス」「キャパシタンス」といいます。

 

コイルのインダクタンスはLで表されて、単位はヘンリー(H)。

リアクタンスを求める式はX=2πfL

 

コンデンサキャパシタンスはCで表されて、単位はファラデー(F)。

リアクタンスを求める式はX=1/(2πfC)

ここだけ逆数。注意!

 

そして最後にインピーダンスは、最初のリアクタンスと抵抗を合わせたもの。

Z=R+jXのZ、またはR+jX。

 

あと、ついでに「アドミタンス」「コンダクンス」。

そして、あまり使わない(?)「サセプタンス」も、さらっと説明。

 

これらは、抵抗の逆。電流の流れやすさ。単位はジーメンス(S)。

コンダクタンスは、抵抗の逆数。

サセプタンスは、リアクタンスの逆数。

そして、アドミタンスは、インピーダンスの逆数。

そのため、アドミタンスはコンダクタンスとサセプタンスの和になります。

 

知ってると一部の計算が楽になったりします。

知らなくても「アドミタンスを求めろ」とか「サセプタンスは5S」とか言われない限り何とかなる。

 

さて、本日はここまで!

 

スマホでサンマが焼ける日【感想・レビュー】最適化が鍵

エネルギー産業の未来についての書籍を探していたら、物凄く奇抜なタイトルに目を奪われた。完全にしてやられたり。

 

スマホでサンマが焼ける日

 

どう繋がるの?と。

いや、繋げようと思えば繋げられるのかもしれないけれど、なぜそこに注目するのか、と。

副題に書かれた「新発想論」の文字にも心惹かれた。

 

 

ボリュームも少なく、書き味も柔らかいので、大変スムースに読み進めることができた。

 

タイトルにも書いてしまったが、キーワードは「最適化」

 

最適化に繋がる技術の方向性として

・デジタル化

・分散化

・ワイヤレス化

などが、新たな技術や予感される未来と共に紹介されていく。

 

また、主に第4章で触れられる、情報に対する考え方が目新しく感じた。

 

情報は発信した方が、住み良い生活に結びつく、というもの。

検索の時代から、予測の時代に。

予測のための情報開示ということだ。

 

SFの世界が少しずつ近づいているということを感じさせられる。

その世界のために、わずかでも貢献できたらなと思った。

 

第一次接近状態と第二次接近状態

今回はライトな法規です。

 

第1次接近状態第二次接近状態について。

こちら、支持物倒壊時の危険範囲と電線からの水平離隔距離(3m)というところまでは頑張って覚えるとして、うろ覚えの人は一次二次をごっちゃにしてしまう人がいるようです。

 

そこで一発で覚えられるゆるふわなイラストをご用意いたしました。

f:id:dragonryoma:20190825155831j:image

 

このイメージ!から一次二次の順です。

数字が上がるほど危険!第二形態みたいなものです。

 

さて「これだけ?」といったところかもしれませんが…これだけです。

 

それでは。

離隔距離など(なんかcがつくやつ)

なんと雑なタイトルでしょう。

 

今回は、定められた電圧を超えた時に電圧に応じて離隔距離などが増加する規定についてまとめてみます。

 

 

160kVを超える特別高圧の充電部分と接近する場合の、

 柵の高さと柵から充電部までの距離の和:(6 + c)m以上

(cは(使用電圧 - 160kV)/ 10kV を切り上げたものに0.12mを乗じたもの)

 

160kVを超える架空電線の地表上の高さ(市街地は除く)

 山の中など人が立ち入らない場所:(5 + c)m以上

 その他:(6 + c)m以上

(cは(使用電圧 - 160kV)/ 10kV を切り上げたものに0.12mを乗じたもの)

 

60kVを超える特別高圧架空電線と低高圧架空電線等との離隔距離

 特別高圧架空電線がケーブル、かつ、

 低高圧架空電線が絶縁電線又はケーブルである場合:(1 + c)m以上

 その他:(2 + c)m以上

(cは(使用電圧 - 60kV)/ 10kV を切り上げたものに0.12mを乗じたもの)

 

35kVを超える特別高圧架空電線路の地表上の高さ

(市街地に施設する場合)

 :(10 + c)m以上

 (cは(使用電圧 - 35kV)/ 10kV を切り上げたものに0.12mを乗じたもの)

 

35kVを超える特別高圧架空電線と道路等との離隔距離

 (3 + c)m以上

 (cは(使用電圧 - 35kV)/ 10kV を切り上げたものに0.15mを乗じたもの)

 

35kVを超える特別高圧架空電線と建造物との離隔距離

 特別高圧架空電線がケーブルの場合

  屋根の上:(1.2 + c)m以上

  その他:(0.5 + c)m以上

 特別高圧架空電線が特別高圧絶縁電線の場合

  屋根の上:(2.5 + c)m以上

  ベランダや窓:(1.5 + c)m以上

  その他:(1.0 + c)m以上

 その他

  :(3 + c)m以上

 (cは(使用電圧 - 35kV)/ 10kV を切り上げたものに0.15mを乗じたもの)

 

 

係数が0.120.15なのかについては

「35kVについては、0.15(ただし地表上の高さは0.12)」

これでこじつけようか。

 

そして発電所の柵。これは6が好き。

160kVを超えるとき、6 + c

係数の12cmも6の倍数だし…

ちなみに35kV未満だと、柵の高さと離隔距離の和は5m以上になります。

急な裏切り。

 

そして、同じ160kV超えの架空電線路、地表上の高さは

柵と同じ、6 + c

ただし、人が立ち入らない場所は1m減らして、5 + c

 

次に、低高圧架空電線との離隔。これは12が好き。

ケーブルどうしなら、+ c

それ以外の場合なら、+ c

そして、係数は0.12

60kVと12。なんか相性良さそうじゃない?(無理やり)

 

そして市街地の地表上の高さ。

こいつだけが、35kVのくせに係数12cmという罠。

奇跡のカップル。基本は10m。これだけ覚えやすい。

 

道路の離隔は、+ c

35kVだし。

ここからは35kV超えで、係数全て15cm。3×5=15で覚えよう。

 

建物との離隔が複雑だけど、

とりあえず「その他」は3.0m。道路と同じ。

絶縁電線だと、それが3で割れる。だから1.0m。

手が届きそうな場所は、ちょっと危ないから1.5m。

垂れちゃうと危ないからさらに1m足して、屋根上は2.5m。

さらにケーブルだと、それぞれ半分にできる。

屋根上は割り切れないから、1.2m。その他は0.5m。

 

さて、ゴリゴリにこじつけました。

いかがでしょう。無理やりですが、数字だけ暗記するよりはマシかと思います。

 

それでは。

 

変圧器二次側インピーダンスの一次側への換算式

変圧器二次側インピーダンス:Z2

Z2を一次側に換算したインピーダンスZ2(1)

変圧比を一次側:n1、二次側:n2とする。

 

換算する際、消費電力を基準として考えると理解しやすい。

一次側の電流をI1、二次側の電流をI2とすると

二次側で消費される電力はZ2I22であり、

これは、一次側に換算した際の消費電力Z2(1)I12と等しくなる必要がある。

 

したがって

    Z2I2Z2(1)I12

    Z2(1) = Z2I22 I12

    Z2(1) = Z2(I2 I1)2 … ①

となる。

 

この時、I1I2の関係は

    I1n1I2n2 … ②

 と表すことができる。

 

この時、Iを「電子の流れ」と考え、それぞれの巻線全体で1周する電子の総数はInとイメージすると、式②を間違うことがなくなると思います。すなわち、式②は「一次巻線全体で1周する電子の総数と、二次巻線全体で1周する電子の総数が等しくなる」という意味で、私は覚えています。

f:id:dragonryoma:20190820200007j:image

 

式②を変形し、

    I2 / I1= n1 / n2 … ②’

式②’を式①に代入することで、解が求まる。

    Z2(1) = Z2(n1 / n2)2